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そういえば二日間ベッドで寝てなかったせいか、昨日久々にベッドで寝たら腰が痛いこと痛いこと! 野営してる人たちは大変なんだなあと思いました(そっち?
でもってイベント終わったばっかですがつづきを更新しております。ちらっと追加でお話兼絵が出ますよ~!
!本編21Fのネタバレがあります
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花言葉はふたつとも「期待」 ただし、期待を込めた相手はお互いではなく
【21F 閑話】
「……というわけです」
深夜の棘魚亭。宴もたけなわ、明日に備えて帰路につく人々が多い中、カウンター席でテーブルに突っ伏すように、金髪頭を沈めている青年がいる。その右手にはエールのジョッキ。彼はあまり酒が強くないはずだ。
一方で、その隣に座す長い黒髪の錬金術師は、湯呑の茶を啜ると、ほう、と息をついた。
「そうなのか」
「そうなんですよ。見事、当たって砕けました。ははは」
口調は淡白だが隠しきれない悲哀がそこには滲んでいる。
居たたまれなくなって、錬金術師は紅の視線を、顔も上げぬ青年に向けた。
「それで、君は満足したのか?」
「満足……満足、何をもって満足と指すのか分かりかねますが、きちんと……約束を守るという意味では満たしましたね、僕は騎士ですし」
「そうだな」
「告白はしました」
「ああ」
「フラれましたけど」
沈黙。
落ちたそれに耐えきれぬように、青年は頭を振るった。
「ああー……それはもう、つらいですよー!」
本音が出た。こうなっては止められぬものらしい。言葉は続く。
「生半可に想ってたわけじゃありません。そりゃ、かなわないことは百も承知でしたし、心のどこかで覚悟も決めていました。けど……けど」
「そうだな」
結局フラれなかった彼には分からないが、“もしも”を想えば、青年には深く同情できる。
「好きだったんですよー」
「そうか」
「でもダメだったんです……」
「そうだな」
「何がダメだったと思います?」
うーん、と錬金術師は虚空を見上げる。
「……好きとか嫌いとか、理屈でどうこうなるものではないからな」
「そうですけど」
「就職も同じだ。相性というか、自分の力でどうにもならないことはある」
「どうしようもないじゃないですか……」
「そうだな、どうしようもない。……それでも諦めずに挑み続けるか、すっぱり諦めて頭を切り替えるか。どちらにせよ、前を向き続けるというのは大事だと思うよ。反省はしても、後悔だけはしないように」
「……後悔、ですか」
「君は今の君を、後悔しているか?」
上げられた青年の青い目が、大きく見開かれる。
「……今の言葉」
「うん?」
「……いえ、偶然でしょう。何でもありません……後悔はしていません。彼女を好きになって良かったと思いますし、告白して……すっきりしました。良かったんだと、多分、そう思います」
「そうか」
「でも……でも、それとこれとは別問題なんですよー!」
わっと青年は再びテーブルに突っ伏してしまう。
やれやれ、と、遠くから様子をうかがっていた棘魚亭の亭主がそのジョッキに次のエールを注ぐのに、肩を竦めると、錬金術師は青年にこう言ってやった。
「生きていれば、もっと良いことがあるさ。きっと」
「スケールが大きすぎですー! もっとささやかでいいんです、うっうっ」
肩を震わせて喚く青年の金髪を、錬金術師は慰めるように、軽く叩いてやった。
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